コラム

フッ素が虫歯予防に効果的な理由は、主に以下の3つの働きによります

1. 歯の再石灰化を促進する

虫歯は、歯の表面(エナメル質)が酸で溶けて脱灰(だっかい)されることから始まります。フッ素は、唾液中のカルシウムやリンと結びついて、歯の再石灰化(溶けた部分の修復)を助けます。これにより、初期の虫歯の進行を止めたり、回復させたりすることができます。

2. 歯質を強くする

フッ素が歯に取り込まれると、歯のエナメル質が「フルオロアパタイト」という酸に強い構造に変わります。これによって、虫歯菌が作り出す酸への耐性が高まり、虫歯になりにくい歯になります。

3. 虫歯菌の活動を抑える

フッ素には、虫歯の原因となる細菌(主にミュータンス菌)の酵素の働きを妨げる作用があります。これにより、細菌が酸を作るのを抑え、虫歯のリスクを下げます。

つまり、フッ素は「歯を修復し、強くし、敵の活動を抑える」という3段構えで虫歯を予防してくれるんです。歯みがき粉やフッ素塗布などで取り入れるのが一般的です。

 

笠松恵子