
虫歯の主な原因は、ミュータンス菌という細菌です。こいつは食べ物の中の糖をエネルギー源にして酸を作り出します。その酸が歯を溶かし(脱灰)、虫歯になります。
フッ素の作用:菌の「酵素」を妨害
ミュータンス菌が酸を作るには、「エノラーゼ」という酵素が必要です。これは、糖を分解して酸に変えるためのステップで重要な役割をしています。
フッ素はこの酵素の働きを邪魔します。
• フッ素が菌に取り込まれると、エノラーゼの活性が低下。
• 結果として、酸の生産量が減る。
• 酸が減る=歯が溶けにくくなる。
つまり、フッ素は虫歯菌の「燃料変換装置」を壊すようなイメージです。
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その他の影響
フッ素は、菌の細胞膜にも影響を与えて、菌そのものの増殖も抑えるとされています。
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要するにフッ素は、
1. 酵素を妨害して酸を作らせない
2. 菌の増殖も抑える
というダブルの働きで、虫歯菌の「攻撃力」をガクンと落とすんです。
笠松恵子