
通院が難しい方のための歯科医療
訪問歯科は、歯科医院への通院が困難な方のために、自宅や施設、入院先の病院で歯科治療や口腔ケアを受けられる医療サービスです。しかし、「自分や家族が利用できるのか?」と疑問に思う方も多いのではないでしょうか。ここでは、訪問歯科の対象となる方について詳しく解説します。
1. 要介護の高齢者
訪問歯科の利用者の多くは、高齢になり介護を受けている方です。加齢とともに、足腰が弱くなったり、持病が悪化したりして、歯科医院まで通うのが難しくなることがあります。また、認知症の進行により外出が困難になった方も対象です。特に、誤嚥性肺炎のリスクが高い高齢者には、口腔ケアを徹底することが重要です。訪問歯科では、こうした方々の健康維持をサポートします。
2. 身体障がい者
事故や病気、先天的な理由で身体に障がいがある方の中には、自由に外出できない方もいます。車いすでの移動が難しい方や、寝たきりの状態の方にとって、訪問歯科は非常に便利なサービスです。また、脳梗塞や脊髄損傷などで麻痺がある方も、自宅で無理なく歯科診療を受けられます。
3. 病気やケガで一時的に通院が困難な方
入院中や自宅療養中で一時的に外出ができない方も訪問歯科を利用できます。たとえば、骨折して移動が難しい方や、がん治療中で体力が落ちている方などが対象になります。一時的な状態であっても、歯の痛みや入れ歯の不具合を我慢する必要はありません。
4. 認知症の方
認知症が進行すると、歯科医院に行くこと自体が難しくなるだけでなく、治療の必要性を理解できない場合もあります。その結果、虫歯や歯周病が悪化してしまうことが少なくありません。訪問歯科では、認知症の方の状態に合わせた診療を行い、ご家族や介護者と連携しながら口腔ケアを進めていきます。
5. 施設に入居している方
特別養護老人ホーム、有料老人ホーム、グループホームなどの介護施設に入居している方も、訪問歯科の対象となります。施設内で生活している方は外出の機会が少なく、歯科受診が後回しになりがちです。しかし、施設に訪問歯科が来ることで、継続的な口腔ケアを受けることができ、健康を維持しやすくなります。
6. 寝たきりの方
ベッドから動けない方も、訪問歯科を利用することができます。歯科医師や歯科衛生士が専用の診療機器を持ち込み、ベッド上で診療を行います。入れ歯の調整や歯周病のケアなど、自宅でも十分に対応できる治療が多いため、安心して利用できます。
7. 摂食・嚥下障害のある方
訪問歯科では、単に虫歯や歯周病の治療を行うだけではなく、食事の際の「飲み込み」や「噛む力」の改善を目的としたリハビリも行います。脳梗塞後遺症や加齢によって摂食・嚥下機能が低下した方には、口腔体操やマッサージを取り入れた治療、お食事の形態の指導も提供されます。
訪問歯科を受けるべきか迷ったら?
訪問歯科の対象になるかどうか分からない場合は、歯科医院やケアマネージャー、介護相談窓口に相談してみましょう。訪問歯科は、歯の健康を守るだけでなく、全身の健康維持にもつながります。自分や家族が対象になるかどうか、一度チェックしてみることをおすすめします。
笠松恵子